Interview
with participating local government chiefs

参画自治体首長インタビュー

埼玉県本庄市
吉田 信解市長

埼玉県本庄市 吉田 信解 市長

MEYER PLOFILE

自治体埼玉県本庄市
氏名吉田 信解(SHINGE YOSHIDA)
生年月日1967年9月8日
出身地埼玉県本庄市
本事業開始日2020年7月
楽器寄附ふるさと納税に参画した理由を教えてください

元々、各学校の楽器がかなり古く、楽器を更新したいという思いはありました。
吹奏楽部には楽器購入の予算を特別に設けてはいるのですが、限られた予算の中で高価な楽器を購入するのは非常に困難で、学校から相談を受けることもありました。
そんな中でこの制度のことを知り、内容を聞いた際に、非常にありがたい制度だと思い、すぐに導入を決めました。

実際に楽器寄附ふるさと納税を取り組んでみた感想を教えてください

生徒の皆さんが喜んでいたことがとても嬉しかったですね。
贈呈式の際に寄附していただいたフルートを使って、生徒が実際に演奏をしてくれたんですね。終わった後に感想を聞いたら、「とっても音色がよくて良かったです」と言ってくれて、取り組んで良かったなと思いました。
実は贈呈式の前に寄附者の方にお電話をして直接御礼を申し上げたんです。
ぜひ、私から生徒たちにメッセージをお伝えしたいので、なにかございませんか?と伺ったら、「楽器はとても手入れが大事なものです。部活動の楽器というとあまり自分の物という認識がないかもしれません。でもこれから代々後輩が使っていくという気持ちを持って、手入れを疎かにせず大事に使ってください。」という、とても素敵なメッセージを頂けたんです。
寄附者の方の想い、子供達の想いというのが感じられて、本来のふるさと納税の姿であるのかなというのを感じました。
本庄市でもふるさと納税には力を入れ始めていて、寄附をして下さる方も増えてきています。
なにかのきっかけで本庄市のことを気にかけてくださって、寄附していただけることは非常に嬉しいことで、もっと本庄市のことを愛してもらい、応援したいという想いで寄附をしていただける方が増えてくれたらと思っています。

楽器寄附ふるさと納税は寄附していただける方も、寄附してもらう子供達も喜んでくれて、またそれをみた世間の人も喜んでくれる、さらには携わっている職員もやりがいを感じてくれている。すばらしい事業だと思います。

本事業は寄附者様を関係人口に繋げる目的もありますが、いかがお考えですか?

本庄市ってどんな街なのかな?と知ってもらえることはすごくいいことですよね。
自分が楽器を提供した学校はどんなところなんだろう?どんな活動をしている吹奏楽部なんだろう?と興味を持ってもらえる。そういったところでまた繋がりができてくる。つまりそれは関係人口ですよね。
市長という立場からだと、どうしても本庄市との繋がりというのを意識しますが、まずは学校と寄附者の方がつながってくれればいいんじゃないかと思っています。
学校と個人のつながり。学校の外郭応援団みたいな。最終的にはそれが本庄市との関係人口に繋がるわけですから。
人と人の関係、繋がりが構築されていくというのは非常に魅力的ですね。

本庄市では関係人口創出を目的とした他の事業展開はありますか?

いろいろな分野の事業があります。
特に近年行っているのが、高校生にターゲットを絞った事業です。
本庄市は都市の規模が小さいのに高校が6つもあり、市外から、あるいは学校によっては県外から通っている生徒達もいて、高校を接点にしてこの「まち」との繋がりができているんです。
そこで、さらに本庄市に愛着を持ってもらえるように、高校生を主体とした事業などを行っています。
高校生のアイデアを生かしたまちづくりの提案をしてもらう事業から発展してできた、市内6つの高校と特別支援学校の生徒が集まって開催する「七高祭」というイベントもあります。
「七高祭」の実行メンバーとは終わった後にディスカッションを行うんですが、市外の生徒からは「本庄のこと知らなかったけど、勉強になりました」「ただ家と学校の行き来だけではなく、こんなまちなんだと知ることができました」
という声があがるんです。これってすごくうれしいですよね。
実際に成果も感じていて、市役所の採用試験を出身高校が本庄だったから受ける、という人もいます。
実際に採用されると、最初は実家から通い、のちに単身本庄市に居住したり、あるいは結婚して居住したり。(同席した担当課の職員の方を紹介し)彼は30年前に市外から本庄市の高校に通い、今は市の関係人口創出の担当をしてくれています。
市内はもちろんですが、市外から通ってくれている高校生たちにも、もっと本庄を知ってもらい愛着を持ってもらえると嬉しいですね。

楽器寄附ふるさと納税に今後期待したいことはありますか?

寄附者の方と生徒たちが直で繋がれるような機会がもっと増やせればいいなと思っています。
提供する側の想いを伝えることで、子供達に教育的な影響があったらとても素晴らしいことですよね。
先ほど紹介したように、実際に寄附者の方にお電話した際に素敵なメッセージをいただけたので、これって大事だなと思ったんです。
寄附者の方は楽器に思い入れがあって大切にしまっていた方々で、それを求めている吹奏楽部という、いわば音楽という共通の世界の中でのやり取りなので、楽器を通して様々なコミュニケーションができると思うんです。
「なんでこの楽器を選ばれたんですか?」とか、そういったところから話が始まっていくというのも面白いですよね。

本庄市について教えてください
今、将来像に掲げているのは「歴史と教育のまち」です。本庄市はこれを自信もって言える「まち」なんです。石器時代から現代まで、他にはない分厚い歴史があります。
東京がまだ海だったころ、すでにこのあたりでは人類が定住していて、縄文時代の土器などが出土しています。本庄市のマスコットキャラクターの「はにぽん」のモデルとなった「笑う盾持ち人物埴輪」は古墳時代のものです。笑う埴輪は全国でもこの辺でしか出てきていません。
鎌倉幕府の設立に功績のあった「武蔵七党」のうち三つは本庄市とその周辺から出ています。室町時代から戦国時代まで、本庄市にあった五十子陣(いかっこのじん)という軍事要塞が、いわば関東の中心で、江戸時代にできた中山道では本庄が一番大きな宿場町として栄えました。
こういった歴史を後世に残してくれたのが本庄市出身の塙保己一という盲目の国学者で、この人物がいなかったら日本の正しい歴史は後世に残っていなかったと言われています。
人類が定住してからしっかりとした歴史が一つの街の中でこれだけまとまっているというのは珍しいと思います。
最近では、「歴史と教育のまち」を市内、市外の方に知っていただけるよう、「本庄早稲田の杜ミュージアム」が開館しました。館内では「笑う盾持ち人物埴輪」をはじめとした、本庄市の歴史をめぐることができます。ぜひお越しいただき、本庄市の歴史に触れてください。

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楽器寄附ふるさと納税実行委員会
運営事務局:0120-106-803

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